2014年10月11日土曜日

「ちょっと、気をつけてよ」ってあんたでしょ


最近、
その土地の名産とか、
郷土料理とか、
ずいぶん覚えた。
いわゆる「試験勉強」。
うん十年ぶり。
同僚はすぐに覚える。
というか、多くをすでに知っている。
行ったことがあったり、
見たり食べたりした経験が多いのだ。
「こんなことも知らないの?」
「知るわけないじゃん」
「みんな知ってる!ジョーシキ!」
「うっそお」
半分オーバー、半分ほんと。
私も少しは世間の常識に近づけたかしら?

暗記だけではきつい。
百聞は一見にしかず。
ネットで写真とか見たりして。
同僚が電車の広告を見つけた。
「岐阜 大物産展」。
北海道とか福岡はよくあるけれど、
岐阜県は珍しい。
「春慶塗り(だったかな?)だってえ。見に行こうよ」
そうだね。机にかじりついてばかりよりいいかも。
ほんとは食べ物が目当て(笑)

デパートの最上階。
お決まりの催し物会場で。
エレベーターを降りる。
「すごいに人だねえ」
他の階には見られない、盛り上がり。

入り口付近に焼き物が並んでいる。
「お!本に載ってるやつじゃない?!」
走りよって札を見る。
二人でじーっ。
知ってる文字が見当たらない。
「ふつうの人が作ったなんでもないやつだあ」
同僚の言葉に顔を上げる。
と、気まずそうに立っている白髪の男性と目が合った。
「…なんか…、味が…、あるよね…」
小走りになりながら同僚が言う。
もう、遅いよ。

今日はワケギを植える。
ほんとは9月だったんだって。
「毎年忘れるの。まだマシ」
と母。
なんか、忘れることも一緒に引き継ぎそうだなあ。