2013年3月7日木曜日

お金にはかえられないものがある

陶芸を始めて数ヶ月になります。
せっせせっせと、人に頼まれたものを作っています。

今、作っているのは、
お酒を飲む大きめのコップ、
焼き魚をのせるお皿、
かわいいご飯茶碗。

お酒のコップは大きさに苦労しました。
三つ作ってやっと、いい感じの大きさになりました。
少し厚めだったので、今日は、慎重に削り、絵を描いてきました。
義兄に上げるコップです。
絵は考えましたねえ。
男性って、どんな絵がいいんだろう?
本の中から私が選んだのは、やぎの身体に五線譜が描かれたもの。
ユーモアとセンスに惹かれました。
本の通りにはいかなかったけど、なかなかいいんでわないかしら?

焼き魚をのせるお皿は、これも大きさにこだわりました。
自分が使って、一番気に入っている大きさと同じにしたのです。
やはり食器は、使いやすさが一番だと思うので。
こちらは、新婚のお祝いです。
絵は、私の好きなねこじゃらし。
赤トンボも飛ばしました。
気に入ってくれるといいな…。

そしてかわいいご飯茶碗。
紐とたたらと二つ作りました。
紐は断然、手間がかかります。
そのせいでしょうか、今からもう、上げたくありません。
まだ素焼き前ですが、すでにかわいくて仕方ないのです。
こちらは大きさはもとより、色にこだわりました。
一番大切な友達に上げるものなので、私の大好きな色にしたいのです。
地の色は薄いベージュ。そこに、淡いピンクで色をつけます。
イメージは、桜の花びら。
ああかわいい、きっとかわいい、丹精込めた私の分身!!

「上げたくないなあ」と母に話しました。
母も陶芸が好きで、何十年も前に自分で作った作品を、
毎日、愛情をもって使い続けている人です。
知人にも陶芸家がいます。
その知人から、いただきものをしたときのこと、
見たとたん、「不出来なものをくれたんだな」と分かったと言います。

それを聞いて、決めました。
「人には上げたくないものだけを、上げよう」と…。

一つのお茶碗を作るのに、かかる元手は相当な金額です。
こんなにかかるとは、正直、思いませんでした。
決して金銭的に余裕があるほうではないけれど、
どちらかというと、苦しいくらいの私だけど、
こと、陶芸に関しては、お金は度外視しようかな。
かかったお金、以上の価値があると思うので。
その価値は、私の心として伝わるものだと思うので。
それは、お金にはかえられない、大切なものだと思うので。

私はきっと、一生、貧乏暮らしだわ。
それでもいいか!
そのほうが、私らしい。