2013年2月7日木曜日

ロシア文学が好き

時々、無性に本が読みたくなる。
多読ではないが、寡読でもないほうだ。
時代の人物を描いた、歴史ものが多いかな。
今は、レ・ミゼラブルに挑戦しようかなと、図書館に予約中。
貸し出し期間の2週間で読むのはキツいけど、
以前から、読んでおかなくてはと、ずっと気になっている一作なのだ。
通勤時間の40分を使って、一気に読んでしまおうともくろんでいる。

ところで、「好き」という点では、古いロシア文学が一番だ。
私は何に惹かれているのか、理由がよく分からない。
なにしろ、主人公ときたら、たいていは、どちらかというと、
冴えない、みじめな生活を送っている人物が多いのだ。
ロシアの寒〜い冬が舞台である。
重くて堅い生地のコート(もしくはオーバー)を着て、
鼻の頭を真っ赤にして、ときには眉毛に霜が付く。
大雪の日はブーツの中も濡れちゃったりなんかして…。

食事はあまり味がなさそうな堅いパンに、
具の少ない、塩味だけのスープ。
それに、噛み切れないようなお肉や、パサパサの魚類。

仕事場では理不尽な扱いを受け、
何かあるたび、この世に終わりのように大げさに嘆く。
これといった友人もなく、楽しみもない。
石のようなベッドにこごえた身体を横たえて、短い眠りについたりする。

こんなつまらない日常が、声に出さない心の中のつぶやきを中心に、
綴られていく。
そのつぶやきも、たいていが、思い込みの強い、偏ったものだったりする。

こんな小説の、何が私の心を捉えるのだろう?
なにゆえに、ことさらの愛着を憶えるのだろう?

認めたくはないけれど、
実はそこに、等身大の自分を見ているのかもしれないね。