時々、無性に本が読みたくなる。
多読ではないが、寡読でもないほうだ。
時代の人物を描いた、歴史ものが多いかな。
今は、レ・ミゼラブルに挑戦しようかなと、図書館に予約中。
貸し出し期間の2週間で読むのはキツいけど、
以前から、読んでおかなくてはと、ずっと気になっている一作なのだ。
通勤時間の40分を使って、一気に読んでしまおうともくろんでいる。
ところで、「好き」という点では、古いロシア文学が一番だ。
私は何に惹かれているのか、理由がよく分からない。
なにしろ、主人公ときたら、たいていは、どちらかというと、
冴えない、みじめな生活を送っている人物が多いのだ。
ロシアの寒〜い冬が舞台である。
重くて堅い生地のコート(もしくはオーバー)を着て、
鼻の頭を真っ赤にして、ときには眉毛に霜が付く。
大雪の日はブーツの中も濡れちゃったりなんかして…。
食事はあまり味がなさそうな堅いパンに、
具の少ない、塩味だけのスープ。
それに、噛み切れないようなお肉や、パサパサの魚類。
仕事場では理不尽な扱いを受け、
何かあるたび、この世に終わりのように大げさに嘆く。
これといった友人もなく、楽しみもない。
石のようなベッドにこごえた身体を横たえて、短い眠りについたりする。
こんなつまらない日常が、声に出さない心の中のつぶやきを中心に、
綴られていく。
そのつぶやきも、たいていが、思い込みの強い、偏ったものだったりする。
こんな小説の、何が私の心を捉えるのだろう?
なにゆえに、ことさらの愛着を憶えるのだろう?
認めたくはないけれど、
実はそこに、等身大の自分を見ているのかもしれないね。