「うちは最初に髪、洗うじゃん…」
お風呂が寒いよねえ、冬は。
最初に湯船に浸かる人が多いいんだよねえ。
先に髪、洗えばいいのにねえ。
そういう人っていないよお。
「ママも先に入るよ」
えええ??!!うっそおー!!
「ママが風呂子に教えたんだよ?
体が乾いているときに髪を洗えば寒くないって!」
「そおだっけ?いつ?」
いつって…、ええ?すんごい小さい頃だけど…。
「ほんと風呂子って一回言ったこと守るよねえ。
バカ正直というか…」
ちょっとお!私、一人でやってたってこと?
うん十年間、信じてたのに…。
「神様見てるからね」
っていうのも覚えてないって言ったっけ!
それ以来、神様の存在を信じてきたのにだよお!
ほんと、ショーゲキだったよお!
子供にきちんと掃除をさせたくて、
「口からでまかせ言ったんでしょ」
だって!なんちゅー親だ!
「風呂子ちゃんは、誰も見ていないところでも、
隅々まできちんとほうきで掃きます」
って通信簿に書かれたんだよ。
うそつくのもやめたし。
「そんなこと…。ほんと笑っちゃう」
兄弟の中でも私だけ。なんで?
「風呂子に言うと、一番安心だった」
その通りにやるから…って、当たり前じゃないの?
うちの人たちがみんなおかしいのか、
私が珍しいのか、
さっぱり分からないけど、まあいいや。
とりあえず、今日も、
大根の第二弾を蒔きます。
言われたとおりにね。