「シリーズはやめるのか?」
母と私の会話中、父が一言割り込んだ。
「シリ…え???」
国の名前?それともなにか聴き間違い?
「シリーズじゃないや、クックック…」
時々こうして自分で自分のことを笑う父。
「ああ、クルーズね」
予定していた船旅に、母が行けなくなるという話だったのて。
「野球の見過ぎ」症候群と思われます。
母が突然、次なるミッションを発表。
「キャベツの苗を植えなくちゃ」
「えっ、キャベツって苗だったの?種からだと思ってた!」
種からは、とてもたいへんなことらしい。
「キャベツはようく肥料をやっておかないと」
はい、かしこまりました!
「5つくらいだから、一列でいいかな。いや、二列」
とりあえず、テキトーに用意します。
今年の春、キャベツは鳥のごちそうとなって消えてゆきました。
これほど食べられたことは初めてです。
実はこれ、人災。
父の「まだ大丈夫」を信じた母がいけなかった。
やわらかい中心は、そのときすでに鳥の腹の中。
「にっくきカラスめ」と勝手に絵を描いていましたが、
ネットで調べると、ヒヨドリのようですね。
防ぐには、ネットしかないとのこと。
ようし、今回は、近くの農協で買っておこう。
あとは虫。
夜盗虫(よとうむし)と母は呼んでいます。
夜、出るのです。真っ黒な毛虫が。
夜な夜な割り箸を手に、闇へと消えていく父。
こういうことは、意外と毎日ちゃん、ちゃんとやるのです。
父との共同作業で、母の期待に応えよう!
今日はまず土作りをスタートします。
秋でもやることいっぱいあるんだなあ。