数年前、知り合いから、普通免許を持ってる場合、
バイクの免許はすぐ、取れると聞き、即、教習所に行きました。
私のバイクへの憧れは、小学校低学年のころ、芽生えました。
忘れもしない、歯医者さんの待合室で見た、少年漫画雑誌、
あの、「ナナハンライダー」がきっかけです。
「ブロロロ…」とエンジン音を立てて走り去る後ろ姿に魅せられ、
以来、心の中に、ずっと灯火のごとく、ともり続けていたのです。
16歳から原付は乗り続けていたけれど、自動二輪は勝手が違いました。
最初はオートマチック限定で、400CCに挑戦しました。
大きなバイクに振り回されて、
本当に取れるのかなと、くじけそうになること度々でした。
しかし、諦めなければなんとかなるものです。
無事、合格し、購入したのはホンダのフォルツァ250CCです。
最初はびくびく乗っていましたが、
やがて原付と同じように扱えるようになりました。
1年間、よく乗ったなあ。
休みの日、4時ころに目が覚めて、晴れと分かると起きだして。
真冬でもなんでも、お花を求めてどこにでも行きました。
一日300キロ以上走ったこともありました。
高速デビューは道を間違えて乗ってしまい、
後ろからトラックにクラクションを鳴らされて、怖かったなあ。
一年後、バイク屋さんに促され、マニュアルの、大型に挑戦。
教習車は、憧れの「ナナハン」です。
その後、排ガス規制でまさかの生産中止になったので、
そこで乗れたことは、一生の思い出になりました。
やっとの思いで卒検に合格したときは、本当に夢のようでした。
選んだのは、ホンダのCB400です。4気筒のすごいやつ。
中身は600CC並みだとか。
乗り心地は抜群でした。安定感は250CCとは比べものになりません。
高速道路で風を切りさくように感じたとき、
これがバイクの世界なんだと、胸がおどりました。
この車も1年間、休みのたびに乗りまくりました。
行きたいところを見つけて、GO!!
走るのが目的ですから、行き先はどこでもよかったのです。
爪木崎のすいれん、伊豆の河津桜、千葉の菜の花、群馬の新緑…。
行きたい所は全て行き尽くしたかもしれません。
しかし、よくコケた。止まるとコケる。
高速では100キロでも出すのに、信号待ちで道が悪いとコケる。
駐車場に着くと風でコケる。止まった所が斜めだと気づかずにコケる。
車体が重いから、ダメージが大きい。いつもどこかしら、壊してました。
そして、熱からさめ、バイクを降りました。
あんな鉄の塊と、よく付き合っていたなあと思います。
やはりバイクは若者の特権ですね。
私の、最初で最後の青春でした。